■シンビジュームの特徴

シンビジュームは、蘭科に属する植物の一つで多年草です。日本でよく見られるシンビジュームは、主にインドやネパールなどの東南アジアに自生していた原種を交配し、品種改良した洋蘭です。シンビジュームが日本に渡ってきた経緯は、長崎県の「旧グラバー住宅」で知られるトーマス・グラバーが、1859年に上海経由で持ち込んだのが始まりとされています。

シンビジュームの魅力は、丈夫で寒さにも強いうえに、大ぶりで華やかな花弁をつける点です。その生命力の強さから、水やりの頻度や温度・湿度などの適正な生育環境さえ整えれば、シンビジュームの寿命は50年ほどにもなるといわれています。

■花の寿命は約1ヶ月

一般的なシンビジュームの花の寿命は1ヶ月程度です。花持ちがよいため、観賞用としてじっくり楽しめます。ただし、長い間花を放置すると株が弱くなる原因となるため、開花から1ヶ月ほど経過したら、付け根の部分から花茎を切り取ることが大切です。切り取ったシンビジュームの花は、花瓶に挿してしばらく観賞できます。

■株の寿命を長くするコツ

シンビジュームの株の寿命を長くするためには、春と秋の時期に「芽かき」を行うことが大切です。芽かきとは、シンビジュームの花が咲き終えた後に、バルブ（球根）の脇から生えてくる新芽を取り除く作業です。芽かき作業では、1つのバルブに対して1つの新芽だけを残し、それ以外の新芽はすべて取り除きます。
また、2年もしくは3年周期で植え替えを行うことも、シンビジュームの寿命を長持ちさせるコツです。

■オンシジュームの特徴

オンシジュームは、初心者でも育てやすい洋蘭として人気です。原産地は中南米で、オンシジュームの原種は約400種類にものぼるといわれています。華やかでボリュームのある大輪系から小ぶりな花弁が可憐な小輪系まで、豊富なバリエーションを楽しめるのが魅力です。

また、切り花としても人気の洋蘭で、フラワーアレンジメントや花束に広く利用されています。適切な管理を行えば、7～10日ほどの比較的長い寿命の切り花として楽しめます。湿度が低いスペースに飾る際は、霧吹きで1日1回程度水をやることもポイントです。

■オンシジュームの育て方

オンシジュームの植え付けは、3月下旬～5月中旬に行うのがおすすめです。また、生育スピードが早いため、植木鉢は大ぶりのものを用意しておきましょう。オンシジュームは湿気が大敵です。なるべく風通しのよい場所で栽培することも大切です。ただし、直射日光に当てると葉焼けを引き起こすおそれがあるため、35％程度の遮光ネットの下に置くと、適切な生育環境づくりができます。葉がたっぷりと茂った木の下に置いてしまうと、花弁をつけにくくなるため注意が必要です。

季節を問わず、土の表面が乾いたことを確認したらたっぷりと水を与えてください。特に夏場は乾燥しやすいため、水やりを毎日しなければならない場合もあります。肥料は4月中旬～9月末まで与えます。有機固形肥料を4月～7月の間に月1回程度与え、液体肥料を4月～9月の間に週1回程度与えましょう。

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